暮らしそのものを遊びに変える

創り出す喜びを感じられる場所

2012年埼玉県川口市→寄居町へ移住

まだ寒さが残る2月下旬、寄居町に移住し新たに家を建てたという町田聖幸さん、由紀子さん、つむぎちゃん、新太くんのお宅を訪ねました。現在、県の職員として浦和まで通いながら、週末はDIYやアウトドアを楽しんでいるという聖幸さん。夫婦で惚れ込んだ寄居町の暮らしについて、うかがいました。

「川口から寄居に移住してきたのは6年前です。以前から山登りやアウトドア、野外フェスなどを夫婦で楽しんだりしていたこともあり、自然が身近にある暮らしをしてみたいとずっと思っていました。当時職場の選択肢として、長瀞にある自然の博物館があったので、思い切って異動願いを出してみたところ、運よく行けることになり、急いで引っ越しをすることになったのがきっかけです」。

 

川遊びや低登山など自然の中で
家族と過ごす週末が楽しい

町田さん家族

―住むにあたって、寄居を選んだ理由は?
「寄居町には親戚や友人など、知り合いは全くいない状態でした。しかし職場に近く、花園ICにも近いので、どこへ行くにも便利かな、と思ったのがこの町を選んだ理由でした。どちらかというとお試しで住んでみる、というくらいの感覚でしょうか。まさか、その後家を建ててずっと住み続ける場所になるとは思っていませんでした」。

―実際、住んでみてどうでしたか?
「山が目の前に広がり、荒川にすぐ行ける距離というのが気に入っています。荒川も都会で見るそれとは違って、本当に綺麗なんですよ。それに以前は休日といえば、ショッピングや映画、外食など“提供された遊び”を楽しむことがほとんどでしたが、今は全く違います。河原で拾った石に絵を描いたり、浅瀬で川遊びをしたり、車山などで低登山をしたりと、ガーデニングなんかも。“自分で創り出す遊び”を楽しんでいます。また一昨年、家を建てたのですが、基礎や骨組み、屋根などのベースとなる部分は業者さんにお願いし、床板やタイルは自分たちで貼ったり、漆喰を塗るなどして1年かけて完成させました。DIYは初めてでしたが、今では家づくりそのものが趣味の延長になっています」

 

子供は毎日泥んこで帰ってくる。
保育園の環境は最高です

こどもブランコで遊ぶ

―広い庭に平屋一戸建てなんて贅沢ですね。リビングにある薪ストーブも温かくて、ほっとします。
「やはり土地が安いので、広い家に住むことができます。家と家が離れているので日当たりもよく、子供がはしゃいで大きな声を出したり走り回ったりしても叱らないですむのが良いですね。薪は、調達が大変ですが、森林ボランティアをしているので、活動した際に間伐したものをもらってくるようにしています。庭にある薪小屋も、自分で作ったんですよ」

―お子さんを育てる環境はどうですか?
「自然の中で遊ばせてあげられるのはもちろん、寄居町には待機児童もいないので、保育園で困ることはありません。それに、保育園自体の環境もとても良いです。都会では園庭が狭かったり、近所からの苦情を気にしてのびのびと遊べない、という話も聞きますが、子供たちが通っているところの園庭はとても広く、まるで森の中です。山に囲まれているので毎日のように登りに行って、どろんこになって帰ってきます。着替えはいくらあっても足りないくらい(笑)。自然に生えている実や花なんかの名前もよく覚えていて、むかごやドドメ(桑の実)を採って食べたりもしているみたいです」

 

時代に合わせてライフスタイルも
柔軟に変化できるものなのかも

町田さんストーブ

―以前は、よく都内へショッピングに出かけていたとおっしゃっていましたが、今買い物で困ることはないのですか?家の中はとても素敵な家具や小物が並んでいますが・・。
「ネットショッピングがあるので、困ることはほとんどありません。新築にあたっても、色々なものをネットで揃えました。今は、住んでいる場所が都会に近いかどうかで買い物の不便を感じる時代ではないのかもしれませんね」

―最後に、移住を考えている方にアドバイスはありますか?
「仕事さえ見つかれば、田舎暮らしはとても楽しいと思います。ストレスフリーになったおかげか、白髪もなくなりました(笑)。体も丈夫になって、病院に行く回数も減りましたし。ただ実際住んでみないと、その地域の良さや問題点は見えてこないと思います。悩んでいるなら、とりあえずお試しでも一度住んでみることをおすすめします」

 

町田さん家族

―インタビューを終えて
取材をしてみて、町田さんの移住に対する姿勢は大きく構えず、とても自然体だったことが印象的でした。今は、次の異動で決まった浦和まで車と電車を使って、通勤しているということですが、それでも寄居町に住み続ける選択をしたのには、生活そのものを楽しむスタイルを、大切にしているからにほかなりません。「先日は燻製器を買ったので、ベーコンを作ってみたら美味しかった!」と教えてくれた町田さん。「創り出す遊び」はこんなところにもあるようです。

町田さんプロフィール

寄居町は子育て支援や教育環境の充実に力を入れています。保育園の待機児童がゼロのほか、第3子以降の保育料及び給食費無料化や、こども医療費の助成を高校卒業まで行うなどしています。
また小学2・3年生を対象に放課後学習を行うほか、中学3年生を対象に民間事業者を活用した進路対策や英検の公費負担なども行っています。
環境も良く、子育て世代にとって、安心して暮らせる町と言えそうですね。

埼玉県寄居町藤田

町田聖幸さん・由紀子さん・つむぎちゃん・新太くん