(魅力紹介)
のんびりのどかな、えごまの里(美里町)
0ブルーベリーのまち、とイメージされる方も多い美里町。
実は南北に長い町なんです。
(出典:Google Map)
今日は美里町の南の方に行ってみたいと思います。
今回の始まりは美里町を通るJR八高線の駅、松久(まつひさ)駅。
無人駅ですが、美里町への愛に溢れた駅です。
駅前には、「ぐるっと埼玉サイクルネットワーク」ということで、「万葉の里みさと周遊ルート」や「榎峠・陣見山チャレンジルート」など美里町だけでなく、周辺の寄居町や深谷市、本庄市にまたがったサイクリングコースが掲示されていたり、
「児玉霊場と北武蔵の遺跡を訪ねるコース」と美里町の歴史遺産を楽しめるコースであったり、溢れんばかりの魅力を伝えようとしてくれるのが分かります。
駅舎に入ってみると、美里町駅前情報館があり、観光に役立つパンフレットが置かれています。
ここでは、美里町・美里町観光協会発行の「ハイキングコース」のパンフレットをセレクト。
美里町マスコットの「ミムリン」が美里町のオススメスポットを紹介してくれるかわいらしい冊子。
どこに行こうか迷っていると「エゴマ」の文字が目に飛び込んできます。
「ブルーベリーは聞いた事はあるけど、美里町でエゴマ?」とつい疑問に思ってしまいます。
エゴマはどうやら「円良田(つぶらた)地区」で特産化がすすめられている作物らしく、気になったので「円良田特産センター」に行ってみることにしました。
「エゴマ」とおばあちゃんたちの拠点「円良田特産センター」
円良田地区は地図を見ると、円良田湖がある、美里町でも南端のあたりに位置します。
松久駅から車を走らせること10分ほどすると、拓けた広大な景色は、山の景色に様変わりしてきます。
ここでいいのかな?とおそるおそる走っていると、「円良田特産センター」の案内表示が見えてきました。
駐車場もあり、余裕をもって車を停めます。ドアのところには「朝どり野菜」の文字。ここの地域の方がよく訪れている場所だと想像できます。
外には「休憩処」もあり、「店休日もご利用ください」という心の広さ。この日は冷えていたこともあり、名残惜しくも店内へと入ります。
店内には、美里町の野菜がいっぱい。
このさむーい時期の旬の白菜や大根、ちぢみほうれん草やみかんなどのほかに、里芋やにんじんといった普段使いできるような野菜もあります。
奥の方に目をやると、えごまのコーナー。これまで新聞などさまざまなメディアに出演したこともあるのか、たくさんの切り抜きがあります。棚には「えごま油」のほかに、「えごまラー油」があります。
…あれ?「えごまラー油」?
初めてみる組み合わせに思わず、二度見してしまいます。
しかも「プレーン」「辛口」「大辛口」「辛口(ニンニク入り)」「辛口(サンショウ入り)」と全5種類の豊富なバリエーション。
これはとても気になる、ということでお店の方にお話を聞いてみることにしました。
―えごまの「ラー油」?
店員さん「普通のえごま油もおいしいけど、それもおいしい。結構売れるんですよ。ちょこっと餃子に入れてもいいし何に入れてもおいしいんですよ。」
―「ラー油、これめっちゃおいしそう…」
店の奥の方にいらっしゃった美里町の方らしき、優しそうなおばあちゃんが答えてくれました。そこには常連さんらしき方もいらっしゃいます。
常連さん「ラー油、前も買ったんだけど、上の方だけ餃子とかに入れるでしょ?そうすると最後下の方に具材が残るから、それを炒め物にしてもおいしいのよ。」
常連さんも話の輪に加わってくれて、いろいろ教えてくれる。嬉しい。「ちょうど家のラー油が切れていたな」と思いだし、どれにしようか悩んで
―この『大辛口』って結構辛いですか?
と聞いてみると、
店員さん「私なんか買う時『大辛口』買うけど、『大辛口』そんな辛くないよ。」
店員さん➁「『大辛口』食べてみ。うちの孫大好きなの。」
と、とてもオススメしてくださいます。
―それじゃあ『大辛口』で!
『大辛口』を買ってしまいました。その後、お買い物を済ませた常連さんは「じゃあね。『総理大臣』、さよなら。」と店の奥にいらっしゃった、菅義偉元総理大臣に似たおじさんに声をかけて帰っていきました。
ここで、改めて美里町の「えごま」についてお話を伺ってみます。
―美里町ってブルーベリーのイメージだったので、びっくりです。ラー油もそうですが、えごま油、本当にきれいですね。
「きれいでしょ!最近だとふるさと納税の返礼品としても人気なんですよ。」
―えごま自身も販売していますが、これはどのように使うのがおすすめですか?
「えごまは、ふりかけにして食べる人もいますね。」
―ふりかけ!
「ちょこっとフライパンで炒るくらいで、あまり加熱しちゃうと栄養がなくなってしまうんですよね。それをお塩かなにかかけてふりかけにする人もいますよ。」
―えごま油はどのように使うのがおすすめですか?
「調理用の油としても使うのもいいし、小さじ一杯くらいすくって、納豆に入れる人もいますね。」
―本当に美里町がこんなに「えごま」の産地とは知りませんでした。
「そうだねえ…もう10年くらいになるのかな。よく採れますよ」
―えごまは自生していたんですか?
「自生はしていなかったね。」
―そうなんですね。なんでえごまを育てることになったんですか?
「イノシシにやられないんだよね。ここらへんはイノシシやシカが出るから、イノシシが嫌うんだよ。それで最初は始めたのよ。」
―獣害がきっかけだったんですね。
「そうそう。他のは食べられても、えごまは食べられない。においが嫌なんだね。」
―なるほどなるほど。
いろいろラー油や、えごま油についてお話伺いましたが、ほかにも大学生のことなどで話しが盛り上がり、雑談していたらあっという間に時間が過ぎてしまいました。初めてきた私も話の輪に入れてくれて本当に身も心もぽかぽかする時間を過ごすことができました。
帰り際に、ここから南に数百メートル行くと「円良田(つぶらた)湖」があるので行ってみなとオススメされたので、円良田湖にも行ってみます。どうやらワカサギ釣りなど釣りのスポットでもあるようです。美里町の南端まで来てしまいました。
美里町の魅力がギュギュっと!ー美里町観光協会ー
美里町のこと、全然知らなかったな。と思い、もっと美里町のことを知りたくなり、思い出したのが「美里町観光協会」。
今回のきっかけも観光協会の愛のあるパンフレット。観光協会について調べていると、こちらも地域のモノやヒトへの愛に溢れたInstagramが見つかりました。
毎日の趣向を凝らした投稿がなされ、ついつい行きたくなってしまう。
そこで美里町役場内にある、美里町観光協会のInstagramの中の人にお話を伺ってみました。
―お忙しいところ、ありがとうございます。今日は美里町のInstagramが非常に熱心に美里町の魅力を発信しているので、実際にお話を伺わせていただきたいと思います。Instagramはいつ頃から始められたのですか?
「コロナ禍になってからですね。これまで観光協会としてフォトコンテストなどイベントを行なっていたのですが、それもできなくなってしまって。そこで、いかに美里町を発信していこうかということを考えている時に、Instagramを通じ若い女性に情報提供することができればということで始めました。」
―そうなのですね。たしかに私の友人でも美里町のInstagramをフォローしている子もいます。
「ありがとうございます。最近だと、Googleなどの検索エンジンだけではなく、Instagramで検索するということもあるかと思います。ただ、Instagramを始める前は『美里町』と検索しても、そもそものヒット数が少なかったので、Instagramのユーザーに美里町のことを発信できていない、すると知ってもらえないのではないかと考えて、情報の数を増やそうと思いました。」
―美里町の方に加えて、美里町以外の美里町を知らない方にも発信しようとしているのですね。今日は「円良田特産物センター」に行ってきたのですが、まだまだ知らない美里町がたくさんあるのだとワクワクしました。Instagramにはどのような内容を投稿しているのでしょうか?
「観光協会と聞くと「観光スポットの紹介」のように思われるのかもしれないのですが、それだけだと個人的にはつまらないなと思っています。もちろんスポットも載せていますが、美里町の食べものや、たとえばブルーベリーを使った食べ物を出しているお店を載せるなどしています。」
―先日、「斤屋」さんというパン屋さんの投稿を拝見し、とても行きたいと思っていました。ただ今日はあいにくの定休日で残念です…
「『斤屋』さんは食パンが人気で。予約を承っているのですが、予約をしていないとすぐに売り切れてしまうんですよね。」
―ところで、掲載するお店はどのように選んでいるのでしょうか。
「観光協会の会員さんを載せているという感じですね。特に選んでいるわけではなく、なるべくいろいろな所を知ってもらいたいと思っています。」
―店舗を持たず委託販売やイベントに出店されるお店なども紹介していらっしゃって、とても熱心だなと感じました。
「イベントは個人的に行っているのもあります(笑)」
―実際現場に行ってイベントもチェックしているのですね。
「Instagramでの紹介はマメにチェックして、行ってみようと思い、行っています。」
―ストーリーも熱心ですよね。友人も楽しみにしています。
「若い方はストーリーを見たり、投稿する方も多いですからね。できたら、若い方に知ってもらって、将来的には移住にもつながったらいいな、というのが本音としてもあります。」
―コロナ禍で、なかなか美里町に来て、とは言えないかと思いますが、どういったことを発信しているのでしょうか?
「ふるさと納税などの情報も載せて、もっと埼玉県の美里町を知ってもらいたいという気持ちが強いですね。『美里』という名前は県内だけではなく、他の県にもあることもあって、埼玉県の美里町を知ってほしいですね。」
―「来て」とはなかなか言いづらいなかで、美里町のファンづくりを行なっているように感じられました。そこで、あくまで個人的な想いでよいのですが、美里町の魅力というのはどういったところだと思われていますか?
「個人の意見ですけど、ほどよく田舎、であることだと思います。ほどよく田舎ですけど、本庄早稲田駅や関越自動車道のインターもあります。新幹線でも高速でも1時間ほどで都心に出られて、でも自然もある、ところは魅力ですね。
―美里町に来ると、私はどこか故郷の静岡県下田市を思い出すんですよね。人がのんびりしていて、何かを押し付けてくるわけでもない。そんなところが私は好きです(笑)
「いい意味で田舎って感じですね。たとえば、初めて美里町に来た人が特産物センターに行っても温かく受け入れてくださる。」
―まさに今日そんな感じでした!いろいろ教えてもらって可愛がってもらいました。
「いろいろな部分で魅力があると思うので、観光協会のInstagramを使って面白いところを発信していきたいと思っています。」
―古民家カフェなど知れば知るほどいろいろあるなと美里町では感じますね。
「ほんとにほんとに。そういうイメージを抱いていただければと思っています。嬉しいです。」
―今後のお取り組みはいかがでしょうか?
「感染状況にもよりますが、Instagramと連携させたフォトコンテストなど行ないたいですね。」
―面白いですね!ぜひ参加させていただきたいです。
最後に美里町に興味を持った方へのメッセージなどいただけないでしょうか?
「コロナ禍ということもあるので今はInstagramを通じてでも美里町のことを知って欲しいですね。収まったらブルーベリーの時期はおいしいブルーベリーも食べられるので、ぜひ来てほしいです。」
―お忙しいところ、お話していただき、ありがとうございました。
知れば知るほど、ワクワクする美里町。もっともっといろいろなモノやヒトに触れてみたいと思いました。